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2006年2月22日 (水)

コラージュをめぐる身体

市街演劇
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PERFORMING JUNK
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ちはやふる(1)
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仮想現実・演劇・人間(2)
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仮想現実・演劇・人間(4)
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仮想現実・演劇・人間(5)
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だから表出運動を本当に理解するには、あらゆる心理・物理的平行主義と縁をきって、心理・物理的統一ということを土台にしなければならないだろう。人間の内側に起こることが外へ向けて投影される表出運動は、決して感情の外的な随伴現象ではなく、そのひとつの成分である。すでにできあがった体験をあらわすだけでなく、体験を自分のほうへ引きこむことで体験を仕上げていく。感情を表出することで感情に働きかえしていくことである。感情をありのままに表に出すことが感情の支えになる、感情自体に作用をおよぼすのは、私たちが実生活で絶えず経験することだ。こうして表出運動(ないし表出行動)と感情(ないし体験)とは、たがいに影響しあい浸透しあいながら、ひとつの統一を形づくっているのである。
          「演劇入門」 千田是也  1974/10 岩波新書
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 この人間が何ごとかをいわねばならないまでになった現実の条件と、その条件にうながされて自発的に言語を表出することのあいだにある千里の距たりを、言語の自己表出として想定できる。自己表出は現実的な条件にうながされた現実的な意識の体験がつみ重なって、意識のうちに幻想の可能性としてかんがえられるようになったもので、これが人間の言語が現実を離脱してゆく水準をきめている。それとともに、ある時代の言語の水準をしめす尺度になっている。言語はこのように、対象にたいする意識の自動的水準の表出という二重性として言語本質をつくっている。
  「定本 言語にとって美とはなにか 1」 吉本隆明 1990/8 角川選書
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あゐさい
http://kayaman55-hp.hp.infoseek.co.jp/gekiha01.html

 コラージュが登場したのは20世紀の詩と美術、ダダイズムとシュールリアリズム運動からであろうか? それらの感受は産業革命以降の爆発的展開と、人間が第一自然から追い出され、工場へと囲いこまれる場所と人間の分裂を表出する。

 土地から追われ都市へ吸収された人間の復讐が、「ねたみ」と異質なものの排外に組織されるとき、ファシズム運動は爆発した。われわれは産業革命以降の最後の人間であり、それまでの自然人とは違い、心理は二重性として分裂している。

 おのれの複雑な心理生成を制御できるかどうかが、日常生活の規範となる。彼がもしも、受信機という媒介を通さず、電波が聞こえると言えば、もはや彼は幻聴病として判断され、精神病棟におくりこまれるだろう。いまだこの社会は、機械器官という媒介に絶対的な信用を置いているのである。

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 これまで繰り返してきたように、享受し、喜び、楽観してしまうのは、まったく容易なことだ。裸体は我々を挑発し、我々はその仕掛けられた罠に、そうと知りつつ、自らの欲望を泳がせる。もっとも親しみのある部分・・・セックスそのものさえも、そしてオブジュ的に裸体を捕らえるときですら、我々は写真家の眼に頼り切りになっている。

 それは裸体写真が構築した、不可視な「権力」的構図であると言ってもいい。我々は見下し、安堵しながらも、その段階からすでに、裸体と写真の組み上げてきた「権力」に、組み敷かれてしまっているのだ。

 裸体は日常である。しかし、一度権力の配下になってしまった感覚にとって、網膜の映した光から、かつて見た裸体写真を締め出すことは不可能になってしまう。
   「裸体というエクリチュール」   高橋周平
   リアリズム変貌展         ツアイト・フォト・サロン
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何故、現代の表出運動そのものがコラージュという形態をとらざるえないのか? それはつまり、われわれの日常がリアリティの管理として器官化されているからである。この私の網膜はすでにあらかじめ写真機、ビデオ撮影機、そして映画やテレビのフレームによって愛情訓練されている器官である。

 深層には日常を支配するある制度の物語が「日本人」という一般の原理主義が幼児期から埋め込まれてきた。ロシア・マルクス主義の破産は国家革命からインターナショナルへの壮大なロマンその物語を、後景に退けた。

 こうして現在、宗教と民族主義そして高度資本主義国においては、経済の数字一元的価値観への原理主義が、自己同一化の要塞となる。世界は原理主義の変貌へと帰還しているのであろうか?

 一方にはイノベーションのマシンへと自己同一化する器官細胞。他方にはこの高度情報システムから排除され取り残された最貧国の宗教原理主義。これら不均衡の上に成立しているのが現代世界の原理主義である。コラージュはこうした内臓を提示することができる方法である。コラージュはフレームを切り裂くことによって、それを主体が編集することによって、この現在を確認することができる。

 もはやすべてが逆説的になってしまったのだ。これまでコラージュはある不均衡を提示した。メディア・マシンへの反抗として。その意味でウオホールの方法は、ダダイズム・シュールリアリズムの流れから切断されたところに位置する内容なき、メディア・マシンへの補完装置としてあった。

 コラージュの根源は情報操作システムを覆す意味の闘争として誕生した。ウオホールは、イメージの反復方法をマス・メディアの補完装置としたのである。「まったく同じものを何度も見れば見るほどそれだけ意味が消えていき、それだけ気分がよく、それだけからっぽに感じられる」と言う、空虚こそかれの主題であったのだろう。

 空虚およびからっぽといってもそれは快楽の構造にあり、すでに生存の闘争から離陸し高度消費社会の自由を謳歌する、アメリカUSAドル世界支配の通貨によって成立したのである。日本現代文学の空虚こそは、そのものまねに過ぎない。通貨としての「円」は世界経済のドルに変わりうる、貨幣には上昇することはできないが、強い貨幣であることは間違いない。

 その貨幣の帝国の言語形態は、言語が場所にへばりつきながら生活しているリアリティから離陸し、空虚が主題になっていく。実はこれこそが帝国衰亡をありあまるほど、表出しているのである。コラージュは権力によって日常的に生成させられている気分を転倒し、意味の闘争としてある想像力の階級闘争として出現する。

 コラージュとはイメージの編集であり、権力による物語と天上の言語からのイメージその表層皮膚をはぎ取り、再度、人工的なイメージへと編集する。その行為は物語に奉仕するのではない、物語の解体としてある。理論的にはアインシュタインが発見した崩壊物質M’およびM”であろう。原子を破壊したとき物質は、おそるべきエネルギーを放出る。それがヒロシマ・ナガサキに投下された原子爆弾である。つまりコラージュとは核兵器以降の崩壊物質M’M”をめぐる想像力のありようなのである。

 アメリカUSAポップアートなどは世界通貨ドルの補完装置でしかなかったのだ。崩壊物質M’M”の20世紀の想像力をなにひとつ提示することはできなかった。USAポップアートを賞賛してきた日本の人々は多かったが、それは太平洋戦争で壊滅させられ、USAのインダストリア・デザインに圧倒された物語上にあった。

 人間とは物語の動物である。つまり衣食住およびセックスのように、物語なしではやってはいけない動物なのだ。ある意味で物語をめぐる闘争は権力闘争でもあり、階級闘争でもある。いかなる物語で現在の人間の身体をとりこにするのかに、政策者たちは機関を全面展開する。こうして物語は身体器官を支配していく。こうした世界でコラージュを表出する人間とは書物をその手と腕で引き裂き、解体し崩壊させる人間である。書物は物語であり、そこには多くの多様な人々の労働の蓄積によって表層へと現出してきた世界だ。書物の解体はこうした労働のエネルギーを放出させる。
 
 もはやコラージュはこれまでの物語に奉仕はしない。物語を切断するのであるから。しかしながら、原子爆弾以降の崩壊物質M’M”の素描をわれわれの前に提示する。それはとりもなおさず現代をめぐる表出の身体でもある。

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