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2006年11月26日 (日)

小説 新昆類 (15-2) 【第1回日経小説大賞第1次予選落選】

 戦争の限界をヒロシマ・ナガサキの人々は身をもって体験した。その想像力・シミュレ
ーションは、世界と地球と人間の終わりに限りなく近づき、われわれの破滅を予感する。
侵略戦争を推進した日本帝国の帝都であり、日本システムの中心地であった東京は、ヒロ
シマ・ナガサキ・オキナワの破滅を体験していない。B二九の空襲により十万人の住民
が殺されたが、皇居の森と中心地は焼けることはなかった。下町に爆弾は計画的に落とさ
れた。ヒットラーは自殺とげたが、昭和天皇は一九八九年まで生き延びた。そして帝都東
京はベルリンの荒廃と悲しみを体験していない。帝都東京が体験したのは空襲と敗戦後の
飢えである食欲としての「物欲」だ。

 民衆の血は流れたが、システム設定者の自己遺伝子と模倣子は血を流していない。その
経験はベルリンではなく、ドイツの空爆によって一定程度破壊されたロンドンの体験であ
り、ドイツ軍の占領を受けたパリの体験である。そのパリであれ解放後、ドイツ軍兵士と
関係をもった女性は、頭髪を刈られ街頭で糾弾され引き回されたのだ。ののしられる女性
も指弾する側も精神の血はどくどくと流れていた。そのような不条理な体験から、人間の
本性を冷酷にみすえたイデオロギーは生まれる。フランス哲学はドイツ軍占領の時代ファ
シズムへのレジスタンス・パルチザン都市ゲリラ戦争の体験によって、抵抗としての実存
主義を表出する。すでに人間の不条理・不均衡をみすえながら。ナチス・ファシズム体制
にからめとられていった詩人と思想者のドイツ哲学は、敗戦後、沈黙する。

「君たち日本人は、日本の戦争犯罪よりも、ドイツの戦争犯罪の知識欲に熱心だね」

 このようなわれわれに対するドイツ人の皮肉には根拠がある。イタリアはファシズムと
レジスタンスによる内戦を経験した。そして北部は連合軍にたよらず自主解放した。ミラ
ノ広場で独裁者は民衆によって処刑された。

 ファシズム同盟、イタリアとドイツは血を流し総括したが、日本はついに総括できなか
った、これが「失われた九十年代」の骨格である。



【第1回日本経済新聞小説大賞(2006年度)第1次予選落選】

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戦後主体性論ノート
ジル ドゥルーズ, Gilles Deleuze, 木田 元, 財津 理
経験論と主体性―ヒュームにおける人間的自然についての試論
沖縄未明―「平和世」と主体性回復を阻むもの
沖縄の脱軍事化と地域的主体性
日沖 隆, 川合 英治
子どもの手を返せ―主体性を育てるモノ作り
山崎 正一
幻想と悟り―主体性の哲学の破壊と再建 (1977年)
平松 松平
新世紀を生き抜くために―私の主体性論
川出 由己
生物記号論―主体性の生物学
高村 健一郎
日本の塩とたばこ―産業の自立と主体性を求めて
玄 〓沢
民族的主体性とは何か
埴谷 雄高
死霊〈2〉
埴谷 雄高
埴谷雄高全集〈3〉
高橋 和巳, 埴谷 雄高, 川西 政明
日本の悪霊―高橋和巳コレクション〈9〉
埴谷 雄高
死霊九章
埴谷 雄高
死霊〈3〉
埴谷 雄高
死霊〈1〉
埴谷 雄高, NHK
埴谷雄高・独白「死霊」の世界
高橋 和巳, 埴谷 雄高, 川西 政明
我が心は石にあらず―高橋和巳コレクション〈8〉
大岡 昇平, 佐々木 基一, 埴谷 雄高, 花田 清輝, 平野 謙, 谷崎 潤一郎
性の追求
埴谷 雄高, 立花 隆
無限の相のもとに
埴谷 雄高
埴谷雄高全集〈別巻〉資料集・復刻 死霊
埴谷 雄高, 吉本 隆明
意識 革命 宇宙
デイヴィッド ハルバースタム, David Halberstam, 金子 宣子
ザ・フィフティーズ〈第2部〉1950年代アメリカの光と影
植村 攻
巨匠たちの音、巨匠たちの姿―1950年代・欧米コンサート風景
児玉 数夫
1930~1950年代 洋画アドグラフィティガイド
赤塚 不二夫
1950年代 オンデマンド版 [コミック]
テムトゥリー
ああ、なつかしの青春時代パズル―1950年代~1960年代
入間 洋
ITエンジニアの目で見た映画文化史―1950‐70年代の英米映画を通して見た文化社会史的変遷
三谷 烈弌
昭和の記憶―カラーで顧みる1950年代の汽車・電車
後藤 乾一
岩波講座 東南アジア史 8 国民国家形成の時代 1939年~1950年代
ピート ダニエル, Pete Daniel, 前田 絢子
失われた革命―1950年代のアメリカ南部
中村 隆英, 宮崎 正康
過渡期としての1950年代
金子 元昭
国電車両写真集―写真と車歴で見る1950年代に走った国電車両
泉 麻人
50・60年代
有賀 夏紀, 能登路 雅子
史料で読むアメリカ文化史〈4〉アメリカの世紀―一九二〇年代‐一九五〇年代
高木 紀男
東京外車ワールド―1950~1960年代ファインダー越しに見たアメリカの夢
広川 禎秀, 山田 敬男
戦後社会運動史論―1950年代を中心に
J.ウォーリー ヒギンズ, J.Wally Higgins, 窪田 太郎
発掘カラー写真 1950・1960年代鉄道原風景 海外編
日本劇作家協会
現代日本の劇作〈第8巻〉1950年代
U.K.STOREROOM
モダンアンティーク・テーブルウエア―1950~70年代イギリスのかわいい食器たち
クライスティア フリーランド, Chrystia Freeland, 角田 安正, 吉弘 健二, 松 代助
世紀の売却―第二のロシア革命の内幕
久保 慶一
引き裂かれた国家―旧ユーゴ地域の民主化と民族問題
里見 常吉, 鈴木 利大, 秋元 明, 土屋 光芳
民主化と市場経済化―中国・ロシア・東欧
山本 武信
世界を揺るがした10年―ベルリンの壁崩壊から9・11まで
ミルチャ エリアーデ, Mircea Eliade, 住谷 春也, 直野 敦
エリアーデ幻想小説全集〈第1巻〉1936‐1955
ミルチャ エリアーデ, Mircea Eliade, 住谷 春也
妖精たちの夜〈1〉
みや こうせい
ルーマニア賛歌―Europe of Europe
みや こうせい
ルーマニアの赤い薔薇
早坂 隆
ルーマニア・マンホール生活者たちの記録
イオン・M・パチェパ, 住谷 春也
赤い王朝―チャウシェスク独裁政権の内幕
菊地 秀行
吸血鬼幻想―ドラキュラ王国へ
Elizabeth A. Brown, 嘉門 安雄, エリザベス・A. ブラウン
ブランクーシのフォトグラフ
岡田 全弘
イタリア・パルティザン群像―ナチスと戦った抵抗者たち
有楽 彰展, 嶋田 純子
小説 東京アンダーグラウンド〈3〉真夏のレジスタンス
アルベール シャンボン, Albert Chambon, 福元 啓二郎
仏レジスタンスの真実―神話・伝説・タブーの終わり
石井 直方
みんなのレジスタンストレーニング―安全で効果的に筋トレを行うための知識と「部位別メニュー」
北原 敦
イタリア現代史研究
早乙女 勝元
イタリア・パルチザン
石井 直方
レジスタンス・トレーニング―その生理学と機能解剖学からトレーニング処方まで
ヤン テッター, Jan Tetter, 足達 和子
ドイツ侵攻とポーランド農民ドゥジマーワ―第一次世界大戦前のレジスタンス
柄谷 行人, 岩井 克人
終りなき世界―90年代の論理
バンドスコア 90年代パンクベスト
宮沢 邦子, 現代女性作家研究会
90年代・女が拓く
小田 実
小田実評論撰〈4〉90年代―これは「人間の国」かなど
吉田 実香, デビット・G. インバー, David G. Imber
90年代アメリカ話題の作家&BOOK

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