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2006年11月24日 (金)

小説  新昆類  (28) 【第1回日経小説大賞第1次予選落選】

  原子爆弾を登場させた愚劣て低俗な文明こそ近代である。環境破壊は極限に達している。
この愚劣な近代文明への逆襲が中世から飛び出してきたイスラム原理主義であろう。近代
とは過去とアンダーグランドからつねに復讐をうける資本主義システムなのである。なぜ
なら人間と国家は資本主義の商品でありながら、そこには同意できないとするのが、現代
世界の普遍的価値観だからである。しかしながら商品は不断に分析されなければならない。
その方法としてマルクス資本論は資本主義が存続するかぎり生存するのである。資本主義
のウィルスとして。永遠の運動である資本主義は地球まで商品とするであろう。商品とさ
れたものは内部が消却され砂漠となる。その砂漠から誕生したのがユダヤ教・キリスト教
・イスラム教という共同体戦争宗教だった。

 仏教を戦争宗教へと転化しようとして失敗したのがオウム真理教であった。仏教の宗派
である池田教を国家宗教へと押し上げようとしているのが、現在の権力党派まで上り詰め
た創価学会である。現代の神学はエネルギーに満ちているのだ。おそらく宗教は商品たる
人間が商品ではないことを優しく癒してくれる麻薬なのであろう。

 ゆえに思想はいつもヘーゲル哲学へと呼び戻されてしまうのかもしれない。われわれ帝
国主義市民は商品の集積庫から脱出することはできない。

 いまも「出口さぁ~~~~ん」と、呼びかけるほかはないのである。
 
「あの、出口さんが消えたんですよ」レミングは寺山修司の資本論であった。

 驚嘆すべき世界事象は、内部をもたぬきたならしくみすぼらしい人間によって表出する。
キリスト・ブッタ・ムハマンド・マホメッドは内部を捨てることによって、おのれの精神
世界をの格闘は開始され、世界同時性の現在の表層から実践的な声を聞く。それは私的所
有としてのおのれの内部を解体し、ただ世界同時性の現在の表層から実践的な声を聞く。
 それは私的所有としてのおのれの内部を解体し、ただ世界同時性という表層の空間へお
のれを投げ出す。むきだしの他者が彼の内部を占有し、外部としてあった人間的社会ある
いは社会化された類的存在が彼の内部となる。

 旧約聖書という深層と内部と歴史に規定されていたキリストとマホメッドは、このシス
テムを変革するシミュレーション、当時のむきだしの表層を未来に向けてシミュレーショ
ンする内部をもたぬ人間の革命的想像力にきこえる世界同時性としての他者の声を、あら
たなる世界事象の神の声として了解したのである。

 人間的社会あるいは社会化された類的存在としての共同社会に表出する、キリスト・マ
ホメッドの世界イメージは、むきだしの表層の他者との会話と対話によって、あらたなる
世界事象の実践的な武装せる予言者として、現在の共同社会に出現する。それは私的所有
としての内部ある人間を驚嘆させ、同時に内部なきみすぼらしくきたならしい民衆を驚嘆
させる。

 マホメッドは神の声を聞くたびに恐怖にふるへ、豊穣な妻の肉体へと飛び込んだそうで
ある。だが彼はやがて武装せる予言者として、あらたなる世界イメージと共同体形成に向
けてアラブ世界の表層に現出する。

 内部を徹底的に破壊し解体した人間は、むきだしの表層その実践と試練によって世界同
時性の声を聞くのである。その声こそ類的存在の自己遺伝子と模倣子の声である。自然の
畏怖と人間関係の恐ろしさの肉体的知覚は、その極限的な試練の時間におのれの自己遺伝
子の声を聞く。現在の表層に偶像・仮象の死臭をかぎとり、同時に新たなる世界事象をか
ぎとる。むきだしの動物的本能はついに、類的存在の自己遺伝子と模倣子の声を聞くにい
たる。その自己遺伝子の声を神の声として知覚した予言者は人間関係の表層たる実践的空
間に登場し、おのれの真理を共同体のものとすべくみすぼらしくきたならしい内部なき人
間、民衆の自己遺伝子と模倣子に向けて振動させる。

 重要なのは声である。やがて弟子たちはその声を記述する。彼らは表層に表出した驚嘆
すべき出来事を記述し編集する。こうして声は内部へと深層へと転化し物語が誕生する。
その場合、記述し編集するためには哲学者はいらない。詩的言語記述の物語展開能力をも
った民衆詩人がこれにあたる。哲学者は内部と深層という私的所有によって、世界を解釈
・注釈する人間であり、彼らが参入するのは物語が完成した後に、神学者としておのれの
内部に私的所有するためである。

 宗教と神話を誕生させるには弟子たちの共同作業と彼らによって形成されていく掟をも
った共同社会によってである。キリスト教はパレスチナの地に閉じられたままであったか
も知れないが、その自己遺伝子と模倣子の声をウィルスへと上昇させたのは組織者パウロ
による。ローマや地中海世界にキリスト教を広める基礎を形成したのはパウロであった。
 ローマ帝国は当初、内部なき人間である商品奴隷や下層社会に感染していったキリスト
教のウィルスを抹殺するために徹底的に弾圧する。ローマ市民にはギリシア・ヘレニズム
文化の流れを模倣したシミュレーションとしての誇り高きローマ神話がある。ローマは狼
から誕生した狼一族によって誕生するという神話である。これはモンゴル帝国の蒼き狼か
ら誕生したとする神話と類似している。しかし、みすぼらしく、きたならしい奴隷どもの
キリスト教ウィルスはこれを偶像として否定するのだ。ギリシア哲学とローマ文化は私的
所有としての内部なき人間の自己遺伝子と模倣子ではなかった。奴隷どものキリスト教ウ
ィルスはローマ帝国の広大な植民地と世界市場(地中海世界とヨーロッパ)を逆手にとっ
て、内部なき人間の模倣子となり、共同体の世界イメージとして伝染していく。

 ヨーロッパの深き森と石まみれの貧困な大地から出現したヨーロッパ人は、体力と個人
的な闘争能力に優れていた。いわゆるインド─ヨーロッパ語族とは共通の個人的闘争心が
ある。とくにヨーロッパは蛮族としての蛮勇は世界一であった。ローマ帝国の雇い兵とし
て職をえた蛮族たるヨーロッパはローマ貴族から戦争術を学習していく。
 ローマ帝国兵士として彼らは地中海世界とヨーロッパ植民地での民族解放闘争鎮圧へと
派遣され、ヨーロッパの戦闘的自己遺伝子と模倣子は、ローマ帝国の軍隊から起動してい
くのである。すべての道はローマに通じている。ヨーロッパのインフラは植民地建設とし
てローマ帝国がなしとげた。

 やがてローマ帝国のアンダーグランドに展開したキリスト教は奴隷たちによって市民へ
と伝染していく。奴隷が市民を改宗させていったのである。市民から貴族へ、貴族からと
うとう皇帝へと伝染し、ついにキリスト教はローマ帝国宗教と上昇した。

 商品人口統計としてのみ記述され、遺伝子のみの時間的回路のみを残し、消滅していく
非歴史的人間は出来事によって支配される。歴史的人間は出来事を支配する。人間とは人
間を奴隷にしてみたいという本能をもっている。現代市民社会では主婦が主人の奴隷とな
っている。家庭内暴力の子供は主人と主婦を奴隷とする。アテネからローマでも市民社会
とは、必ず奴隷を生成するのである。なぜなら人間の欲望が全面展開するのが市民社会で
ある。

 奴隷はおのれの表現されない感情に表現を与えてくれる人物を待っていた。そして、魂
を高揚させてくれる人物の出現を待っていた。市民の明るい希望に満ちて上昇志向を支え
るためには、暗い絶望世界が市民の現状生活を自己確認するために、アンダーグランドと
して形成されていなくてはならない。そのアンダーグランドを組織したのが、パウロであ
った。革命と同様、新興宗教も早急に制度化されなければ、自らの内部にかかえた自壊の
種子によって崩壊してしまう。キリスト教はパウロという組織者がいたから確立した世界
宗教として歴史的存在となった。アンダーグランドとはつまり、つぎなる歴史的存在を準
備する原理と原理の闘争空間である。それは古代以来、かわっていない。五十年代・六十
年代・七十年代・八十年代・九十年代の半世紀にわたる日本のアンダーグランドは、上部
である市民社会にはけして理解できないゲバルト戦争をやってきた。死者・自殺者という
戦死者は数多い。このアンダーグランド空間から出来事を支配する存在は現出するのであ
る。莫大な国家財政をつぎこんだ過激派壊滅作戦は成功しなかった。現代日本アンダーグ
ランドとは戦時空間であったパレスチナの地と通低していた。

 やがてローマ帝国はその巨大さゆえに内部自壊を起こし、ローマとビサンチンに分裂す
る。西ローマ帝国は蛮族であるローマ帝国の雇い兵士であったヨーロッパ軍団によって壊
滅された。ヨーロッパ部族社会は独立を勝ち取った。ローマ皇帝と貴族は東ローマ帝国で
ある、現在のトルコの首都であるビサンチンに逃亡していった。皇帝の座に座ったのが教
皇である。ヨーロッパはキリスト教皇が支配するキリスト教のソビエト連邦となった。
 こうして内部あるギリシア文明からの流れを汲む、ヘレニズム文化様式は偶像破壊とし
て地下に埋められ、イタリア・ルネサンスまで再発見されない。ギリシア文明とローマ文
明を継承したのはユダヤ人とイスラム世界であった。イタリア・ルネサンスはユダヤ人か
らギリシア文明の再発見を習得した。そして用がなくなったユダヤ人は消えてもらわなく
てはならなかった。一五一六年ベネチアにユダヤ人を完全隔離するヨーロッパ最初のゲッ
トーができた。こうしてキリスト教皇とそれるつながるイタリア大商人は銀行業とそのネ
ットワークをユダヤ人から収奪することに成功したのである。これがイタリア・ルネサン
スの動物的本能である自己遺伝子と模倣子であった。




【第1回日本経済新聞小説大賞(2006年度)第1次予選落選】

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鈴城 雅文
原爆=写真論―「網膜の戦争」をめぐって
歌田 明弘
科学大国アメリカは原爆投下によって生まれた―巨大プロジェクトで国を変えた男
安斎 育郎
語り伝えるヒロシマ・ナガサキ―ビジュアルブック (第3巻)
マーティン ハーウィット, Martin Harwit, 山岡 清二, 原 純夫, 渡会 和子
拒絶された原爆展―歴史のなかの「エノラ・ゲイ」
中条 一雄
原爆は本当に8時15分に落ちたのか―歴史をわずかに塗り替えようとする力たち
NHK出版
ヒロシマはどう記録されたか~NHKと中国新聞の原爆報道
ヘレン ミアーズ, Helen Mears, 伊藤 延司
アメリカの鏡・日本
鳥居 民
原爆を投下するまで日本を降伏させるな――トルーマンとバーンズの陰謀
講談社
ピカドン―だれも知らなかった子どもたちの原爆体験記
河井 智康
原爆開発における人体実験の実相―米政府調査報告を読む
Robert Jungk, ロベルト ユンク, 菊森 英夫
千の太陽よりも明るく―原爆を造った科学者たち
清水 昭三
鳥居はなぜ倒れない―神社・原爆・天皇制
歌田 明弘
マルチメディアの巨人(ジャイアント)―ヴァネヴァー・ブッシュ 原爆・コンピュータ・UFO
原爆爆発 [PO-7029 ] [ポスター]
紀伊國屋書店
上海異人娼館 チャイナ・ドール デジタルリマスター版
東宝
野獣死すべし
東宝
「みな殺しの歌」より 拳銃よさらば!
寺山 修司, 宇野 亜喜良
踊りたいけど踊れない
寺山 修司
われに五月を
寺山 修司
思想への望郷―寺山修司対談選
寺山 修司
寺山修司幻想劇集
寺山 修司
寺山修司の仮面画報
寺山修司東京研究会
寺山修司の情熱の燃やし方―このままの自分でいいのか
寺山 修司, 森山 大道
にっぽん劇場写真帖
寺山 修司
寺山修司名言集―身捨つるほどの祖国はありや
寺山 修司
’70s寺山修司
寺山 修司
書を捨てよ、町へ出よう
寺山 修司, 森山 大道
あゝ、荒野
寺山 修司
海に霧―寺山修司短歌俳句集
寺山 修司
誰か故郷を想はざる
スチュアート ヘンリ
「野生」の誕生―未開イメージの歴史
スタニスラフ・グロフ, クリスティナ・グロフ, 山折 哲雄
魂の航海術 -死と死後の世界- イメージの博物誌 10
青木 克仁
イメージから考える人生論
デイヴィド マクラガン, David Maclagan, 松村 一男
天地創造 -世界と人間の始源- イメージの博物誌 20
小国 綾子
魂の声 リストカットの少女たち -私も「リスカ」だった
リズ ブルボー, Lise Bourbeau, 浅岡 夢二
〈からだ〉の声を聞きなさい - あなたの中のスピリチュアルな友人
レオン ドゥニ, Leon Denis, 浅岡 夢二
ジャンヌ・ダルク失われた真実―天使の“声”に導かれた少女
ヘンリ・J.M. ナウウェン, Henri J.M. Nouwen, 小野寺 健
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萩野 仁志, 後野 仁彦
「医師」と「声楽家」が解き明かす発声のメカニズム―いまの発声法であなたののどは大丈夫ですか
諸坂 成利
虎の書跡―中島敦とボルヘス、あるいは換喩文学論
安西 徹雄
彼方からの声―演劇・祭祀・宇宙
箱崎 総一
カバラ―ユダヤ神秘思想の系譜
フラウィウス ヨセフス, Flavius Josephus, 秦 剛平
ユダヤ戦記〈1〉
手島 佑郎
貧乏でも金持ちの列に並べ―ユダヤビジネス哲学

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