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2006年11月27日 (月)

小説  新昆類  (9) 【第1回日経小説大賞第1次予選落選】

 ねえ、して、と奥さんは泥荒に結合を哀願した。泥荒は湯船に腕をつっこみ水を抜く。
ざざあと勢いよく風呂水が落とされる。その音に誘導され泥荒のきんたまは奥さんのおま
んこのなかに入っていく。手で穴に誘導しなくても自然に肉棒が花園へ入っていくのに泥
荒は驚いた。奥さんの花園は器官が食植物のように獲物をなかに入れたのである。歓迎の
器官運動に泥荒はすごいおまんこだと感激した。風呂水が湯船から落ちる音、ざざあ、ざ
ざあ、男と女の中心が摩擦し圧迫し離れてはまた奥へ入る、花園が奥へ向かえては肉棒が
引かれまた奥へ迎えられる音、ばっこん、ばっこん、ぶっちゅん、ぶっちゅん、ぐっちゅ
ん、ぐっちゅん、奥さんの両腕は泥荒の背中にしがみつき、男と女の腰が求心力と遠心力
の快楽運動の時間、そして音は振動していた。すでに湯船からは水が落ちていたが、奥さ
んと泥荒は激しくもみあっている。そして泥荒は一度きんたまをおまんこから抜いた。

 泥荒は女体を湯船のなかに入れた。どうするのと奥さんが息の声で泥荒に聞いた。泥荒
も湯船のなかに入る。うしろからと泥荒は息で答えた。

 空のバスのなかんでなんか主人ともしたことがないわ、うふふと奥さんは息で笑う。奥
さんは腕を広げ湯船の壁に手をつき御尻をつきだす。泥荒は奥さん背中から右腕を乳房に
まわし揉みはじめる。左手はきんたまをつかみ奥さんの桃割れの道を往来させる。きんた
まによる中心軸への愛撫は刺激があった。いい感じよ、あなた、と奥さん。はやく、ちょ
うだいと奥さんがせがむ。きんたまは自然におまんこのなかへ迎えいれられる。

 燃えろ、いいおんな、泥荒は奥さんの耳へ熱い息声をふきかける。大きな声を出すこと
ができない世間様への禁止事項がかえって奥さんを激しくさせる。あうん、あうん、息の
声は壁を溶かすかのようだった。泥荒のからだはロックを演奏していた。ばっこん、ばっ
こん。奥さんはとうとう立っていることはできず、ずりずりと落ちていく。

 麻薬が脳に分泌してきた。泥荒は湯船の底に落ちていった奥さんを今度は風呂場のドア
の方向に向けさせた。奥さんは湯船をつかみ犬の姿になる。突き出した奥さんの桃割れの
御尻を泥荒は両手で支え、またバックからきんたまをおまんこに入れた。ばっこん、ばっ
こん、ぐっちゃん、ぐっちゃん、ぶっしゅん、ぶっしゅん、ぺっちゃん、ぺっちゃん、汗
だらけの裸体の摩擦と結合の肉音のみが風呂場に反響するのは麻薬の分泌を増幅させ加速
させた。泥荒も奥さんもからだの深部がくらくらになった。外は夏だった。ぎらついた陽
光がバスルームに窓からさしこんでいる。太陽は昼間の頂点に到来しよとしていた。

 あうん、あうん、もっと、もっとついてえ、こわしてえと奥さんは御尻をゆさぶり突き
出す。奥さんは泥荒のピストン運動と連動して腰を激しく動かしている。泥荒は腰を回転
させながら円運動とピストン運動で突きまくる。奥さんは、崩れながら、なかに出さない
でと息声で哀願する。うううきたあ、と泥荒はきんたまをおまんこから抜いた。奥さんは
身震いしながら湯船の底に落ちていった。泥荒は奥さんの乱れた黒髪、脳天に真上から精
液を発射した。乳のような白い精液の玉は黒髪に吸い込まれ、頭皮に浸透していった。奥
さんは麻薬中毒患者のように身震いしていた。そして虚脱の奥底へ沈んでいる。はあはあ
とふたりのからだは呼吸を整えようとしていた。からだはパーティから日常に戻ろうとし
ていた。奥さんと泥荒の汗のしずくはぽたぽたと湯船の底に落ちて、風呂場には祭りの終
焉の音が反響していた。外からは道路で遊ぶ夏休みのこどもたちの声が聞こえてくる。

 奥さんは舐めてと哀願した。泥荒は奥さんを起こし、湯船に座らせた。奥さんはまた両
足を開いていった。自分のきんたま入れかき混ぜたおまんこを泥荒は舌で舐めた。それは
祭りの後、女の花園を男がテッシュで拭いてやる行為にも似て、祭典の閉会宣言でもあっ
た。奥さんはうっとりとからだを開いていた。泥荒はただで塗ってやるよと言った。あり
がとう、これでバスルームもきれいになるわ、奥さんが甘ずんだ息の声で言った。外から
また、こどもたちの声が聞こえてきた。くらくらした頭で泥荒は、親方がそろそろ現場に
戻ってくる時間だと危惧した。

 脱ぎ捨てたパンツをはき作業ズボンに足を通す、Tシャッツに腕を通す、そして泥荒は
急いで外に出た。再び足場に上った。奥さんは黒髪を指ですいている。指にべっとりとか
らんだ男の乳色の精液を小瓶の口にからませ、底に落としていた。彼女は声を出さず笑い
収集家のように満足していた。泥荒の精液は「新昆類」のエサとなる。その家の二階の小
部屋には、大きなガラスの槽があり、そこには茶色のゴキブリが蠢いていた。彼女は主人
の命令で、若い男の精液を収集していたのである。そこは人間の精液をエサとしてゴキブ
リに食べさせ、新世代を誕生させていく「新昆類」の実験場でもあった。家の主人の名前
は渡辺寛之、彼の職業はコンピュータ開発技術者だった。そして彼は秘密結社に属し、密
かに生物情報体を研究していた。渡辺寛之は、大和朝廷に滅ぼされ、その復讐として平城
京で藤原不比等を暗殺し、下野北部箒川の豊田で坂上田村麻呂将軍を暗殺した鬼怒一族の
末裔だった。ゴキブリが蠢くガラス槽は「新昆類」概念の展開だった。足場に戻った泥荒
は仕事に力が入らず、ペンキとローラーが入った容器を屋根に置き、住宅地を見下ろして
いた。真夏の太陽に肌を焼かれ、ひたすら風を求めていた。

 ──親方にバレたら、おれは首だろう……
 
 渡辺寛之の妻、真知子は裸体のまま、二階にあがり、白い小皿に、先ほど収集した泥荒
の精液を小瓶から移すと、ゴキブリの棲家であるガラス槽の底に置いた。

「さあ、おまえたちのご飯だよ、人間のエキスをしっかりとお食べ」

 真知子は小声で「新昆類」にささやいた。
 
 それから一階に降り、バスルームでシャワーを浴びた。男のエキスと女のエキスが摩擦
で混合され独自の匂いを発するセックス祭りの後の臭覚を洗い流した。バスタオルで水滴
を肌からふき取ると、真知子は寝室の桐タンスの引き出しを開け、洗濯されたパンティと
ブラを身に付けた。彼女は白いTシャッツを着て、薄布の夏用ロングスカートをはいた。
真知子は自家用車のキーをハンドバックに入れ、玄関から外に出た。

「出かけますので、あと、よろしくお願いしますね、冷たい麦茶を魔法瓶に入れ濡縁に置
 いときましたから」
 
 サングラスをかけた真知子は何事もなかったように足場に上がっている泥荒に声をかけ
た。泥荒は真知子を恥ずかしそうに見下ろし、ただうなづいた。真知子の胸とくびれた腰
まわりが悩ましく真夏の太陽に反射している。真知子は車庫にあったホンダシビックに乗
り高台の住宅地を降りていった。車が視界から消えるまで見ていた泥荒は、親方に仕事が
遅いと注意されるを怖れ、塗装前の下地つくりのシーラーを壁塗りしていった。

 真知子のホンダシビックは新横浜国道を藤沢方面に向かっている。真知子は遊行寺の坂
を降り、藤沢橋交差点を直進して茅ヶ崎方面に車を走らせた。道路は正月二日にいつも行
われる大学駅伝のコースだった。開けた窓から乾いた潮風が踊りこんでくる。海は近かっ
た。真知子は湘南海岸通りに出て、江ノ島方向へと左折した。やがてレストランの「すか
いらーく」の看板が見えてきた。真知子は「すかいらーく」の駐車場入り口に車を進めた。
車を駐車場に止め、外に出ると、海岸道路の歩道には、海水浴の水着姿で若い男女の群れ
が歩いている。鵠沼海岸は太陽の季節だった。真知子は「すかいらーく」の店内に入って
いた。そして待ち合わせている知人を探した。奥に目当ての老人と若い女がいた。老人の
名前は有留源一郎、若い女は彼の弟の娘で十九歳の有留めぐみだった。有留源一郎に育て
られた有留めぐみは、源一郎を、おじいちゃんとよんでいた。

 真知子はふたりの前に座り、やってきた店員にアイスティを注文した。店は昼の食事時で
にぎわっていた。有留源一郎はあごヒゲを右手で撫ぜながら、左手でパイプ煙草を持ち、
ゆったりと煙を口から吐き出していた。有留めぐみは海をみていた。真知子は源一郎の娘
だった。有留一族の故郷は広島県広島市安佐北区白木町大字有留、鎌倉寺山の麓にある村
だった。真知子は、有留一族と鬼怒一族との古来からの同盟永続、世代間継承の証として、
鬼怒一族の渡辺寛之と結婚した。有留一族と鬼怒一族は秘密結社として、もうひとつの現
代史に棲息していた。





【第1回日本経済新聞小説大賞(2006年度)第1次予選落選】

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