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« 小説  新昆類  (27-2) 【第1回日経小説大賞第1次予選落選】 | トップページ | 「新昆類」 ノート (2) キメラ実験の満州帝国 »

2006年11月24日 (金)

小説  新昆類  (27-1) 【第1回日経小説大賞第1次予選落選】

 ローマ帝国衰亡の時期をひたすら反復して、商品となった日本文明は全的滅亡へとむか
っているのだ。いまはただひたすら享楽にひたりましょうよ、あなた。われわれ帝国主義
市民はこうして「いま」のみの刺激に反応する原生動物へと退化した。自己を省察できな
い文明はゆっくりと滅亡してきた。やがて、あなたの部屋は盗聴から盗み撮りされるであ
ろう。すでにUSAでは、部屋で生活する他人の実態がサービスとしてみられるゲームが
インターネットで爆発的に商品となっている。それは人を興奮させる。ついに資本主義の
液体化現象はここまできたのだ。ゆえに商品である国民国家も液体化現象液と置換される
のは間近に迫っている。これが映像と表層における最後の国家なのだ。

 おのれの富を破壊するマルクスとレーニンのウィルスを全世界から駆逐するために、フ
ァシズム国家の誕生とファシストを政治的に利用できると微笑んでいた世界システムにと
って、おのれが育て上げた乱暴な息子から突然殴られたことは皮肉であった。

 第一次世界大戦の波動は民族の牢獄であったロシア帝国を解体し、労働者国家を誕生さ
せた。一方、ドイツと同盟を組み敗北したトルコ帝国は世界システムによって、植民地分
割された。イギリスはとくにアラブ中東を植民地化せんと狙っていたのである。第一次世
界大戦という戦争は、マルクスによる「フォイエルバッハ・テーゼ」のシミュレーション
と「共産党宣言」「コミューン論」がロシア革命として世界政治の表層に具体的現実とし
て登場させたのである。そしてオスマン・トルコの分解とイギリスによる植民地分割はイ
スラムの表層を眠らせたかにみえたが、実はロシア革命もオスマン・トルコ帝国分解によ
るイギリス支配もイスラム・パワーを再起動させる準備だったのである。近代化を推進し
ていた現代イラン王朝が打倒され、中世から登場した黒いイスラムによるイラン革命は七
九年、キリスト教世界を驚嘆させるのである。

 文明史でいえばロシア革命とソビエト終焉の七十年間とは、イスラム・パワーが中世か
ら再度よみがえる準備のために存在したかにみえる。内部をもたぬ最後の人間としてのわ
れわれ市民は、ただ表層空間に衝撃的に出現した出来事を信じる。一九一七年十月革命は
全世界の内部をもたぬ人間の心臓を太鼓のように打ち鼓舞させ、イギリスを機軸とする植
民地支配の帝王たちを打ち破ることが可能である希望を与え、とにかく元気にさせたので
ある。こうしてマルクスとレーニンのウィルスは植民地支配下の被抑圧民族として絶望に
沈んでいた内部をもたぬ人間の想像力に伝播し、実践のシミュレーションと希望の世界イ
メージを形成させたのである。

 七世紀の砂漠から誕生したイスラムの動物的本能である自己遺伝子と模倣子は、たかが
近代の新参の共産主義ウィルスに覚醒されながら、この他者から学習し、いつかおのれ自
身がウィルスの世界事象として表層に現出すべく準備をするのである。オスマントルコが
解体され、西ヨーロッパ十字軍によって植民地分割され、中央アジアはスターリン民族政
策によってソビエトに編入されたが、彼らはモスクで、ひたすら忍耐してきたのである。
七世紀、キリスト教批判として、旧約聖書の流れからアラブに出現したコーランが西は地
中海を越えスペインからフランスの入り口まで浸透し、東は中央アジアからインドネシア、
そこから北上してフィリピン諸島まで浸透したイスラム自己遺伝子と模倣子のパワーから
いえば、近代とはひとときの戦略的後退である。砂漠から誕生した。

 ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の原理とは生存である。一九七九年イラン革命によ
って近代は相対化されてしまったのである。それはあらたなる中世のはじまりだった。最
初の産業革命をなしとげ、世界を植民地化したイギリスはアングロサクソン連邦を形成し
たが、その本国では八百年にわたり支配してきたケルト民族によるアイルランド解放闘争
との戦争状態こそが八十年代だったのである。近代の親分であるイギリスが古代からの逆
襲をうけている表象こそ、近代とは過去から復讐をうける文明なのである。

 イスラム自己遺伝子と模倣子を再起動させウィルスへと変貌させたのは、なんといって
も、ユダヤ・シオニズム運動であろう。「ユダヤ人抹殺はヨーロッパの最終解決」とする
ナチス突撃隊によるユダヤ人虐殺とアウシュヴィッツ・ガス室。これらの戦慄すべき、出
来事は、ヨーロッパの国家権力から商業復興による国家財政蓄積のため利用され用が終え
ると東に追いやられるかゲットーに封じ込められていた、ユダヤ人の国家形成に火をつけ
た。

 西ヨーロッパとは異端なしにはおのれが定性できない動物的本能である自己遺伝子と模
倣子がある。十字軍遠征の中世とはペストの時代と異端狩りの時代でもあった。歴史学者
によると、国内十字軍によって三百年間に異端のアルビジュク派であるという嫌疑をかけ
られた百万人以上のフランス人が殺されたと推定している。十字軍が誕生したのはフラン
スであった。最初は国内の異端狩りから開始され、やがてエレサレム奪回へと十字軍遠征
が開始される。フランスはイスラムからフランク族と呼ばれていた。その強暴さは人肉を
食っていたと記録されている。十字軍遠征時二百年間に殺されたユダヤ人の推定数は十万
人として記録されている。これがフランク族たるフランスのおそるべき、動物的本能であ
る自己遺伝子と模倣子である。現代も文化の国を装いながら、最大の武器商人であり南太
平洋では核爆弾実験を植民地でくりかえし強行してきた。イギリスと先頭にたってたたか
った英雄女性も最後は異端として処刑された中世。その異端狩の十字軍を現代において継
承しているものこそ、USAの十字軍たるK・K・K(クー・クラックス・クラン)であ
る。ヨーロッパとUSAのキリスト教とは悪魔とユダの存在なしには、おのれ自身が定性
できない。

 ユダヤ人によるおのれ自身の最終解決とはおのれ自身による国家創出であり、その約束
された地こそパレスチナであった。ヨーロッパのゲットーにいるかぎり、いつなんどき国
家矛盾のスケープゴートとして虐殺されるかもしれない。この恐怖に打ち勝つためにはパ
レスチナへ移住するしかなかった。USAのユダヤ・ネットワークはこれを強力に支援す
る。

 パレスチナは世界イメージの発祥の地といってよい。旧約聖書から表出したユダヤ教、
キリスト教、イスラム教の聖地。パレスチナ、レバノン、シリアという地域は、宗派の党
派闘争とヨーロッパ十字軍遠征以来の宗教戦争により、イデオロギーは純化され原理化さ
れる。極限的な原理主義によってしか生存できぬ宗教エネルギーの場所。

 こうした原理の土地からパレスチナ人を追い出し、ユダヤ人の国家を創出した出来事は、
原理の導火線に火をつけ中東戦争を現出した。イスラエルの日常は非日常としての戦時体
制にある。イスラエルの原点はアウシュビッツであり、その恐怖は生存するためなら何で
もするといった動物本能の自己遺伝子と模倣子にある。外部においても内部においても戦
時体制という非日常が日常となる。イスラエルの空港で乱射しユダヤ人を殺した日本赤軍
の岡本公三はアラブの英雄となった。それを最大限利用したのが日本の商社である。かれ
らはアラブから英雄の同族として迎え入れられた。ゆえに日本の石油商人である商社は中
東で資本主義の大展開ができたのである。日本赤軍とは七十年代、日本資本主義の英雄で
ありゼロ戦特攻隊であったのだ。わたしは商社マンからある飲み屋で聞いたことがある。
「日本赤軍と岡本公三には足を向けて眠れないよ」オイルショックを脱出し日本がメジャ
ーの石油支配から抜け出し、アラブ地域において独自に石油採掘権を確保し安定的に石油
を供給できたことが、七十年代から八十年代への経済成長の源となった。日本商社は日本
赤軍のおかげでアラブと地域やイランにプラント輸出ができたのである。

 まさに日本赤軍重信房子は日本資本主義の英雄なのだ。ゆえにハイジャク・ダッカ空港
において時の自民党福田政権は捕虜交換の条件を日本資本主義の利益のため承諾したので
ある。原子爆弾の自己遺伝子と模倣子をもった、世界紅衛兵たるスチューデントパワーの
音楽こそがビートルズでありオノヨウコであるが、その世界政治の代表選手こそ日本のク
リントンとゴアである重信房子なのだ。自民党加藤などは重信房子の下男となって再学習
しなくてはならないだろう。哲学などといっていまさら西洋哲学の自己解釈に革命的マス
ターベーションをしている男などは、重信房子のブラックホールに吸収されてしまうであ
ろう。イデオロギーとは存在なのである。重信房子は日本武士たるサムライの自己遺伝子
と模倣子を世界に証明した英雄なのである。もはや日本の未来は武装した女にしか存在し
ていない。

 モンゴルは世界帝国を形成しながらも、内部独立によって巨大帝国は崩壊し、騎馬民族
はおのれの故郷である草原へと帰り内部を閉じていった。巨大帝国を運営するということ
はすざましいエネルギーがいるのである。北京・モスクワという都市はモンゴル軍団がつ
くりあげた都市である。ローマ帝国もヨーロッパにおいて都市を形成し、内部へと閉じて
いった。帝国の崩壊後には世界宗教がとってかわるのであるが、モンゴルには世界宗教を
生み出すことができなかった。チベット仏教がモンゴルの宗教であるが、仏教は戦争にに
は不向きなまったく個人の解脱をとく、個人的な人間宗教である。しかしキリスト教とイ
スラム教は砂漠から誕生したゆえに生存をかけた共同体戦争の宗教であろう。

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