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2006年11月20日 (月)

小説  新昆類  (32) 【第1回日経小説大賞第1次予選落選】

 子供もすでに資本主義の世界市場に存在していたのである。子供は消費の王であり女王
なのである。「あなたは、こどもの向上心を奪ってしまうのですか?」こうして親は販売
企業に日々恫喝され、いつのまにか子供を商品消費の王と女王に押し上げるのである。こ
うして親は子供の奴隷となる。現代資本主義は子供を奇獣とさせる。人間はロボットによ
って代行できるからである。高度成長以前であれば、農家においても労働者であっても、
基本は自給自足であった。資本主義は、人間が、自分で“もの”をつくるという行為その
ものを壊滅する、すべてを商品づけにして借金づけにするのが資本主義の動物的本能であ
る自己遺伝子と模倣子である。人間は「商品生成=消費」の回路であるメディアへと変貌
させるのが、資本主義の商品による商品への自己運動である。そこにおいては、もはや、
親は子供に教育できない。なぜなら、親自身が、すでにこの資本主義システム暴走の労働
力商品であるから、自分の言葉など、忘れてしまったか、職場で生きのびるため、消却し
たのである。

 こうして家庭とはつぎなる資本主義を担う兵士を養育する生産工程としての現代的工場
制度に組み込まれる。そして子供は家庭の王と王女であり、親はその奴隷となる。「商品
生成=消費」の矛盾はすべて、国民総背番号で管理情報データー化された固有の家庭が背
負い込む。こうして家庭とは修羅と地獄めぐりの資本主義神曲と変貌する。そこでは、神
と怪獣と奇獣と人間が同期し競合した、ギリシア神話の戦争現場へと転化するのである。
 恥かしい地獄生産家庭はけして、おもてにあらわれない。こうして、いつも明るい資本
主義「商品生成=消費」はいつも、安定したシステムとなる。資本主義とはきれいなマン
ション・ビルの回廊に、うんこをしながら、くそ逃げしていく自己運動である。ある朝、
マンションに住む、お父さんが、会社に出かけ、ドアをあけたら、「うんこ」が悪臭をは
なっている。「誰かのいたずらだ!」とお父さんは疑惑に満ちる。

「もしかしたら、会社の競争相手の仕業だ、ちくしょうめ!」

「おまえ、この、うんこ、かたずけておけ!」
 と奥さんに怒鳴るのである。こうして、いつも最後に資本主義の処理として掃除をやら
されるのは主婦労働と呼ばれている。

 資本主義の原理原則は「商品生成=消費」である。この原理原則が崩れると資本主義国
家そのものが自壊をとげる。ゆえに現在、日本国家は六六〇億兆円の天文学的な借金をし
ても「商品生成=消費」の原理原則を防衛しなくてはならないばかりでなく、国民である
市民ひとりひとりにも借金生活様式を、自分に似た姿で同期化する。いまや学生はひたす
らカード借金をして、消費生活を謳歌している奇獣と再編された。日本発の世界大恐慌を
発動させてはならぬとする、世界資本主義市場の要請だからである。19世紀とは資本主
義の幼年期であったが、二十世紀は動物期であった。21世紀とは資本主義がいよいよギ
リシア神話の神奇獣期として拡張していくであろう。

 いまや六十年代から起動した高度経済成長以前の時間は喪失した。ゆえに、あまりに人
間的な人は「日本文明の全的滅亡の絶望」によって殺されてしまう。八十年代、大学と大
学における壮絶な権力闘争が上部機構では利権をめぐって密室の謀議として展開されてい
た。おのれの大学出身者から総理大臣を現出させることは、大学の自己展開能力が飛躍す
る。現代日本は陰謀史観によって規定されている。その陰謀こそは、上部機構を固定化し
た。もはプロレタリアートは制度と階層を固定する階級となった。土地と家・私有財産を
もったプロレタリアートとはすでに、革命の階級ではなく、おのれの私有財産を防衛する
反動階級となる。反動とは変革という流動を許さない保守階級。

 これが日本労働運動の最終であり最後の獲得実現であった。プロレタリアートの私有財
産防衛のために、それまでの日本労働運動の司令塔であった総評を、売って、「連合」を
結成した。御茶ノ水にあった、巨大な総評ビルは、陰謀家が、私的所有した、まさに労働
貴族と労働官僚による陰謀による歴史の奪還こそが、一九八七年のクーデーターであった。
山岸とはまさに、いまやネット・ストーカーという奇獣人間を現出しているNTTの労働
組合の会長であった人物で、いまも謀議の中心人物として、再起動している。まさに八十
年代の日本とは上部世界と地下世界であるアンダーグランドにおいて、生きるか死ぬかの
壮絶な戦争が展開されていた。陰謀に敗北した国鉄労働組合の労働者は多くの自殺者をだ
し、ついに現在、政党の介入により屈服されてしまった。その水先案内人こそ一九九五年
の総理大臣であった、旧社会党の親分であった村山である。日本社会党は一九七〇年にお
いて帝国主義社会党へと、すでに変貌していた。上部においても下部においても労働界に
おいてもNTTにおいてもウィルスは起動する。

 ウィルスは奇獣人間を現出させながら、現在、ホンダとソニーが商品として発売したロ
ボットへと、侵攻を開始した。コンピュータ・ウィルスからロボット・ウィルスへと、変
貌につぐ変貌があらわれるとき人類史は、いよいよ奇獣史へと転換されるであろう。もは
や人間とは類的存在ではない。類的存在とは19世紀・啓蒙哲学とロマン主義の言葉であ
る。いまや人間とは奇獣なのである。あなたはNTTから誕生したネット・ストーカーで
ある奇獣人間から、おのれ自身を防衛できるだろうか?一九九四年においてはパソコン通
信会社であった、ニフティとNECの会社員IDとパスワードが、NTT奇獣人間によっ
て盗まれたのである。日本電気通信産業が陰謀によって誕生させた奇獣人間の世紀こそ2
1世紀初頭である。

 盗聴法と国民総背番号の成立によって、日本電気通信産業は、莫大な国家予算を、分捕
ることに成功したのであり、そのために自民党を飼育しているのである。そして、あなた
の情報は毎日更新され、電話回線から盗まれている、いまですよ。これが二十一世紀初頭
における資本主義、つまり奇獣と盗賊人が全面展開できる、世界市場へと輝かしく発展し
た、グローバリゼーションである。IT革命ではなくIT反革命としてのウィルスこそ、
考察する対象。ウィルス原論が必須として、いま、市民からもとめられている。

 「日本書紀」はこうしたわれわれ市民により、編集されたのではない。王権内のゲバル
ト的非日常というおそるべき人間関係としての政治闘争をくぐりぬけ、自己遺伝子と模倣
子の動物的本能という、おそるべき人間関係としての政治闘争をくぐりぬけた建設者によ
って「日本書紀」は誕生した。

 表層空間をわがものにするのは建築者と政治闘争者と演劇人である。彼らは自然生成的
感受性を表出するのではない。彼らはおのれの構成力によって表層空間を占有する。演劇
と政治は現在という時間と空間にエネルギーを投入し、身体言語によって他者のイミテー
ションを規定する行為である。

 さらに政治は人間の悪意的様相をもっとも現出するきわめて人間的な行為である。すな
わち、いかに敵と競争者を落としこめ、叩きつぶすかに、政治行為者の日常はあり、内部
は不断にゲームのシミュレーションを展開している。空間を構成し流動的な他者の行為を
予測し推論しつつ決定する闘争である。政治とはまさに密室の謀議であり、それゆえに情
報スパイは古代から政治闘争の重要な役割を担っていた。天皇制が古代から今日まで継承
できたのは、情報戦争に勝利してきたからである。

 現代では、あなたがご存知のように、警察情報スパイ機構と自衛隊情報スパイ機構を統
合しているのは、内閣調査室である。あなたが毎日コンビニで支払っている税金から、内
閣機密費として、毎年五六億円の予算がくんである。公安警察が革命家を情報スパイへと
誘導し、やがて中央委員会に送り出し、警察の都合のよい革命方針を中央委員会指令とし
て発動させるのである。一番犠牲になるのは、いつも末端で真剣にまじめに活動する民衆
活動家であった。戦前の公安警察もほとんどスパイによって運営されていた中央委員会に
よる銀行襲撃方針により、民衆支持基盤を壊滅することにより、日本共産党を壊滅したの
である。本当は当時の公安警察としては、国家予算の獲得のために日本共産党中央委員会
を保存しておきたかったのだが、宮本顕治による死力を尽くした中央委員会スパイ摘発に
より、やむなく、壊滅としたのである。このときのスパイ査問で、スパイは恐怖におびえ、
おのれ自身による心臓発作で死亡した。スパイ摘発こそ日本革命運動の革命的伝統である。

 六十年代後半から七十年代前半、日本共産党に指導された日本民主青年同盟は全国二十
万人いたが、いまや二万人である。この減少はまさに公安警察による。関西・愛知・関東
と、県委員長クラスが公安警察スパイへと誘導されてしまったからである。まさに内閣機
密費である五十六億円の効用であろう。外務省機密費とこの内閣機密費の存在をリークし
たのは、USA・CIAである。九七年橋本政権時、日本内閣と外務省の電話がCIAに
よって盗聴されていた事実は有名である。そのときすでに、CIAはこの機密費の存在を
しり、どうスキャンダル・ニュースにするか計画していた。二十世紀から二十一世紀初頭
とは、映画007でも有名なイギリス情報部とCIAが暗躍できるアングロサクソンの世
紀である。帝国はおのれの姿にあわせて世界を構築する、それが世界標準化である。現在、
天皇制が苦しいのは、イギリスもUSAも、もう、王朝はイギリス王朝だけ残せばいいの
ではないか、と検討していることである。世界標準化のために、天皇制は淘汰されなくて
はならい、と。二十一世紀初頭は日本による侵略戦争犯罪が世界的問題となるであろう。
中国においても七二年日本に対する「戦争賠償金請求放棄」の是非をめぐって、現在紅衛
兵世代によって検討されている。あの香港をイギリスから百年かけて取り戻した中国とは
五千年以来の原理・原則の中華思想による国家なのである。




【第1回日本経済新聞小説大賞(2006年度)第1次予選落選】

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芹沢 俊介
他界と遊ぶ子供たち―少年たちの資本主義
渡邉 昭彦
経済情報を撒き散らす詐欺師たち―プロが素人を誑かす談合資本主義
佐伯 啓思
アダム・スミスの誤算
福島 清彦
ヨーロッパ型資本主義―アメリカ市場原理主義との決別
ポール ホーケン, L.ハンター ロビンス, エイモリ・B. ロビンス, Paul Hawken, L.Hunter Lovins, Amory B. Lovins, 佐和 隆光, 小幡 すぎ子
自然資本の経済―「成長の限界」を突破する新産業革命
I.ウォーラーステイン, 川北 稔
史的システムとしての資本主義
レスター・C. サロー, Lester C. Thurow, 山岡 洋一, 仁平 和夫
資本主義の未来
イエスタ エスピン‐アンデルセン, Gosta Esping‐Andersen, 岡沢 憲芙, 宮本 太郎
福祉資本主義の三つの世界
ジル ドゥルーズ, フェリックス ガタリ, Gilles Deleuze, F´elix Guattari, 宇野 邦一, 田中 敏彦, 小沢 秋広
千のプラトー―資本主義と分裂症
平井 正治
無縁声声―日本資本主義残酷史
渡部 亮
アングロサクソン・モデルの本質―株主資本主義のカルチャー 貨幣としての株式、法律、言語
ビル トッテン, Bill Totten
アングロサクソンは人間を不幸にする
ビル トッテン, Bill Totten
アングロサクソンは人間を不幸にする―アメリカ型資本主義の正体
アレックス カリニコス, Alex T. Callinicos, 渡辺 雅男, 渡辺 景子
アンチ資本主義宣言―グローバリゼーションに挑む
次田 真幸
古事記 (上) 全訳注 講談社学術文庫 207
坂本 太郎
日本書紀〈1〉
宇治谷 孟
日本書紀〈下〉
森 博達
日本書紀の謎を解く―述作者は誰か
山田 永
「作品」として読む古事記講義
山田 永
古事記スサノヲの研究
関 裕二
神武東征の謎―「出雲神話」の裏に隠された真相
関 裕二
天孫降臨の謎―日本建国神話に隠された真実
坂本 勝
図説 地図とあらすじで読む古事記と日本書紀
大和 岩雄
古事記成立考
宮崎 学
警察官の犯罪白書
鳥越 俊太郎, 小林 ゆうこ
虚誕
黒木 昭雄
警察はなぜ堕落したのか
北海道新聞取材班
日本警察と裏金―底なしの腐敗
浜島 望
警察がひた隠す 電子検問システムを暴く
しんぶん赤旗取材班
裏金―警察の犯罪
鈴木 邦男
公安化するニッポン―実はあなたも狙われている!
佐々 淳行
日本の警察―「安全神話」は終わったか

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