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2006年11月25日 (土)

小説  新昆類  (26-1) 【第1回日経小説大賞第1次予選落選】

 日本の近代的自我が安定し、評論・批評の分野が判断停止・思考停止のまま危機感もな
く政治家を悪者にすればよしとする論理が九十年代の総体であった。大学教授も天皇であ
るから実に安定している。新機軸の哲学など誕生していない。日本回帰ばかりである。そ
れは日本の近代的自我とは天皇制に依存しているからである。天皇制が安定しているかぎ
り、おのれの近代的自我も安定している。すでに天皇制を批判する過激派は九十年代にお
いて街頭から排除することに成功した。警察庁における高度コンピューターをつかったデ
ジタル監視システムのおかげである。しかし天皇制が世界商品と命がけの飛躍はできるの
だろうか? 

 外務省はそのために国連常任理事国入りを画策しているのだが。おそらく今後アジアか
ら日本への戦争犯罪を弾劾する叫び声は再度表出するだろう。日本兵士によって虐待され
た人々が死をむかえているからである。人はおのれのかけられた不正と虐待はトラウマと
して一生、背にかかえながら生きる。じつは加害者の方は快楽として虐待したのだからそ
れは愉快な出来事としてすぐ忘れるのだが、人は苦しいことは一生わすれることはできな
い。ちくしょう、あのやろう、として生涯憎悪として忘れることはない。これが人間関係
における血の債権である。日本は血の負債が事実として、みえないアンダーグランドに蓄
積しているのだ。わたしにしても自分に暴力をふるった私服と機動隊の顔は、いまでも忘
れない。ちくしょう、いまにみてろ、という憎悪として寝る前に、あの、やろう、と湧き
上がることをおさえることはできないのだ。

 日本に暴虐されたアジアの人々がおのれの死をまえにして叫ぶのはこれからである。ユ
ダヤ人が虐殺された強制収容所がまさに現場として映画化されてきたのも、五十年たって
からである。人間とは復讐する動物的本能をもっているのだ。その復讐へ和解する時間を
半世紀、日本は放棄してきたのである。USAに依存して。天皇制がグローバル地球資本
主義から商品失格の烙印を押されたとき、天皇に依存し安定してきた。

 日本近代的自我は崩壊するだろう。ここに日本人なるものの最大危機がある。ここにお
いて最終的に内部は全的滅亡をとげるだろう。しかし天皇制は生き延びるであろう。徳川
幕藩体制への位置に後退しながら。しかしそのとき宮内庁が存続できるかどうかはわから
ない。商品としての天皇制の再度の転換が、やってきたのである。これが商品を解明する
現代の資本原理論である。世界商品への命がけの飛躍ができなかった商品は地域商品とな
るのである。

 レーニン死後、ソ連邦におけるスターリンの絶対的権力の確立。トロツキー反対派勢力
の壊滅と古参革命党員の抹殺。「人民の敵」KGBによる密告制度。洗脳された子供が親
を「人民の敵」として売る悲惨な暗い時代。強制収容所政策による大量奴隷労働力商品の
確保と、それら奴隷労働力商品を動員しての巨大公共事業プロジュクト推進。クラークと
いいう自営農民撲滅と農業機械化への近代的工場制度の導入。しかし計画的農業生産たる
コルホーズは失敗した。農業と農民を犠牲とする重工業力への推進。農民を犠牲とする矛
盾的工業力への転換。「社会主義の祖国を守れ」に集約されるロシア・スターリン主義に
よる第三インターナショナルの私物化と、それによる各国共産党(インターナショナル支
部)への路線への押し付け。その路線とはスターリンの内部を忠実に反映した不断に情勢
に動揺する路線であった。帝国主義勢力、ファシズム勢力に対する受動性にあったため、
常に30年代の激突する戦乱の情勢への後追いとなり、ドイツ革命・スペイン革命はファシ
ズム運動に敗北する。労働者階級を組織したのはファシズムであった。

 第一次世界大戦後の世界システムたる自由資本主義同盟は、ナチス・ドイツ、ムッソリ
ーニ・イタリア、ヒロヒト日本のファッシズム拡張を、当初、自由きままにあそばせてお
いた。ファシズムが共産主義撲滅をかかげた政治勢力であったからである。レーニンによ
るロシア革命が誕生したとき、世界資本主義国家は連合として、ロシア革命をいち早く壊
滅しようと、軍事介入した、日本も侵略派兵した。当時の世界シシテムの親分はイギリス
であった。まず、アングロサクソンの基本的戦略である封じ込め作戦を展開した。当時日
本とイギリスは同盟を組んでいたからイギリスの要請にしたがって日本はシベリアへと派
兵したが、赤軍によって粉砕されてしまった。ゆえにロシアは世界を信用していない、ス
ターリンが「革命ソビエトを防衛せよ」という第一戦略はある意味で正しかったのである。
イギリスを親分とする、世界システムは虎視眈々とソビエト壊滅を狙っていた。そこにお
けるドイツ革命である。

 ドイツ革命が成功すれば、共産主義革命はヨーロッパ全土に伝染する。ドイツ革命を壊
滅させるために、イギリスはドイツ国家社会主義党であるナチスに裏から資金を与えた。
そしてイタリアに誕生したファシズム党であるムッソリーニにも裏から資金をあたえ支援
したのである。日本におけるファシズム運動をどうイギリスが支援していたのかは、まだ
解明されていない。第一次世界大戦後の世界情勢とはロシア革命の成功によって、全世界
労働者は「未来がみえた」として絶望から希望に燃えた熱い季節だった。フランス人民戦
線政府の誕生。スペイン人民政府による政治からのスペイン王の追放。ヨーロッパ革命の
嵐は勢いをもって前進しようとしていた。日本においてもロシア革命に鼓舞され勇気付け
られ労働運動・農民運動は前進し革命情勢は到来していた。

 そのとき、登場したのがイタリア・ドイツ・日本におけるファシズム突撃隊であった。
日本においては大東亜共栄思想をもった右翼民族主義者と陸軍青年将校の連合である。
「共産主義を撲滅せよ!」と彼らは叫び、労働争議、地主と小作人との農民争議に武器を
もっ突撃隊として、資本主義体制を防衛したのである。世界資本主義の親分であるイギリ
スはファシズムによって助けられた。次の戦略は彼らを政権につかせることである。こう
してフランス人民戦線政府はまず、フランス・ファシストによって打倒され、ドイツにお
いてもドイツ社会民主党はヒットラ-・ナチス党に惨敗する。全ヨーロッパファシズム勢
力はスペイン王を全力で支援し、スペイン内戦において人民政府側は壊滅されたのである。
これを裏から支援したのがイギリスであった。ゆえにいまでもイギリス情報部はCIAに
並ぶ、世界一のスパイ情報部として君臨している。イギリスがたてた当時の世界戦略はド
イツ・イタリア・日本のファシズム帝国軍隊をソビエト侵攻に向けさせ、ソビエト赤軍を
壊滅させ、モスクワを占領することであった。ドイツ軍の主力はソビエト侵攻であり、こ
の東方戦線がもっとも激烈だったのである。ソビエトはドイツ軍との攻防で二千万人の死
者を出している。ソビエト侵攻のためにドイツ軍はまずとなりのポーランドからオースト
リアを電撃作戦として、占領したのである。

 しかしヒットラーは、USAが育てたイラクのフセインのように、おのれの動物的本能
である自己遺伝子と模倣子が戦争の過程で再起動したのである。「敵は本能寺にある」明
智光秀のようにフランスを占領してから、親分であるイギリスに牙を向けた。

 イギリスは自国の植民地あるいは軍事基地が、電撃的にファシズム軍によって攻撃を受
けてから、イングランド王国世界連邦であるアングロサクソン連合軍を形成し反撃に転じ
たのである。明智光秀であるドイツ・イタリア・日本のファシズム機軸同盟は、なにゆえ
に、当時の親分である織田信長であるイギリスに牙を向けたのだろうか? いまでもわた
しは理解不能である。おそらく、明智光秀のように親分からいじめられていたのであろう。
ドイツにおいても第二次世界大戦敗戦による戦争賠償金の負担は過酷であった。民衆自身
がイギリス憎しに固まったのであろう。では日本はなぜ、USAの真珠湾を電撃空爆した
のであろうか? いまでもわからない。本気に当時の戦争設計者たる参謀本部はアメリカ
大陸を占領し、第二の満州国を建設しようとしていたのであろうか?わからないなにひと
つ、戦争指導者は語っていらず、第二次世界大戦の総括などされてはいないからである。
わたしの推論によれば、当時、台湾が日本の植民地であったから、日本はフィリピンを植
民地として収奪したかったのであろう。フィリピンはUSAの植民地であった。実際、日
本はマッカーサー将軍を追い出しフィリピンを占領した。フィリピンを占領すればUSA
海軍が反撃として攻めてくる、その前にUSA太平洋海軍の母港である真珠湾攻撃したの
であろうか?
 
 とにかく日本帝国の大東亜共栄圏をめぐる戦争計画書は、当時の官僚であった宮沢喜一、
中曽根康弘たちによって、永遠に隠されてしまったのである。ファシズム同盟として第二
次世界大戦を起動し戦争計画を形成した東大法学部出身の官僚たちによって戦争は推進さ
れた。その革新官僚たちによって戦後シシテムは形成され、自民党は誕生したのである。
その官僚たちの政党である自民党が二十世紀を支配し、いまなお二十一世紀さえも自民党
独裁政権として維持しようとしている。支配者は自己の都合が悪い過去は永遠に死ぬまで
隠す、これが支配官僚の鉄則である。ゆえに当時の戦争計画は永遠に明らかにならない。
USAが情報公開するのを待つだけである。

 近代史とは中世以上に闇なのだ。このようにして歴史は消却されていくのであろうか? 
商品は軍人から官僚へ転換したに過ぎないのが日本の二十世紀であり、商品は<いま>投
資家という資本家に買われなくてはならない。そのための国民国家である。<いま>売ら
れたら富の世界システムから脱落する。この瞬時の攻防こそが資本主義である。そして政
治家の仕事は国民に貨幣とのセックス猥談を提供することである。それがなければ国民は
居酒屋でストレスが発散できない。政治家の悪口を言えば、国民の肛門からたまりにたま
ったガスが抜ける。そのおのれのガスを国民は「これがおれだ」とうっとりと嗅ぐ。自己
を確認できるのだ。そしてマスメディアは自分さがしの、ドラマを商品として国民に提供
する。これが「いま」なんですよ、と。あしたも労働力商品として近代的工場制度である
職場でがんばりましょうね、と。永遠に「明るい、いま」のみが信仰する商品、正義の味
方たるUSAが微笑んでいる。

 日本国民とは永遠に菊の紋章たる肛門と対話していくのである。肛門にきんたまを挿入
すると亀頭にくそがつく。そのくそこそ、日本国家たる商品にとっては、おのれを汚す過
去なのである。亀頭についたくそは、すぐさま肛門からきんたまを抜いて、シャワーで流
さなければウィルスが浸入してしまう。

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永瀬 一哉
太平洋戦争・海軍機関兵の戦死―軍国日本に生きた青年の記録
堀越 作治
軍国少年“Fe”の日記
三井 一男
「軍国少年」の遺言
榎本 朗喬
軍国少年日向タロー
大川 孝平
軍国の詩
早川 紀代
軍国の女たち
清水 貢
実録 軍国教育―戦争で学校教育はどう変わったか
石永 淳, 生方 恵一, 工藤 司朗, 伊藤 強, 桐井 加米彦
むかし、みんな軍国少年だった―小二から中学生まで二十二人が見た8・15
現代思想研究会
知識人の天皇観―天皇制の内圧を問う
荻野 富士夫
思想検事
柳河瀬 精
告発戦後の特高官僚―反動潮流の源泉
円 より子
一人でも変えられる―「生活者主権」、盗聴法をめぐる攻防
斎藤 貴男, 沢田 竜夫
「治安国家」拒否宣言―「共謀罪」がやってくる
奥平 康弘
治安維持法小史
粟屋 憲太郎, 黒田 康弘
言論・出版・集会・結社等臨時取締法制定資料
荻野 富士夫
戦後治安体制の確立
右崎 正博, 田島 泰彦, 川崎 英明, 奥平 康弘, 小田中 聡樹
盗聴法の総合的研究―「通信傍受法」と市民的自由

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