2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« 小説  新昆類  (24-1) 【第1回日経小説大賞第1次予選落選】 | トップページ | 小説  新昆類  (22) 【第1回日経小説大賞第1次予選落選】 »

2006年11月25日 (土)

小説  新昆類  (23) 【第1回日経小説大賞第1次予選落選】

 ユダヤ人であったマルクスのシミュレーションとインスピレーションは、旧約聖書以来
の長いユダヤ人の旅と時間が存在していたからこそだと思われる。アインシュタインもユ
ダヤ人であったが、ユダヤ人から天才が出現するのは、古代からの悠久時間との日常的対
話であると、かれは自伝でのべている。ユダヤ教のバイブルである旧約聖書はキリスト教
とイスラム教という世界宗教の原典である。日本の天皇神学が世界宗教になれないのは、
あらかじめ人類観が喪失しているからである。古事記にしても日本書紀にしても司馬遷
『史記』の盗用にすぎない。ゆえに日本とは古代から他者のソフトを盗用し、おのれのも
のとでっちあげる能力にかけては世界一番なのである。ペテン師と詐欺師による捏造こそ
がその動物的本能としての日本イデオロギーであることは、すでに世界で暴かれている。
ペテン師と詐欺師はおのれの歴史を総括できない。現実原則がだましだまされの自己解釈
関係だからである。日本とは他者によってしか発見されえない特殊な場所なのだ。ゆえに
現在の時間のみとなり、時間は不断に消却され、あたらしい、だましとだまされの営為と
向かう。こうして歴史は日本外部によってしか認識されない。

 マルクスは内部に深層の時間をもっていたからこそ、内部をもたぬ最後の人間を発見で
きた。さらに市民社会の特権的内部と、内部をもたぬ表層に表出する流通の貨幣と商品の
秘密をあばいた。マルクス以後の帝国主義による世界市場とは、すでに国家さえも商品と
なった。その前衛こそ為替相場である。瞬時における為替相場とは国家通貨をめぐるマネ
ーゲームであるが、国家=金融商品である。売られた国家は暴落する。それが九七年にお
けるアジア金融危機であり、これを総括しマレーシアの指導者は固定相場にしたのである。
USAが覇権を握るIMF=ガット世界体制とは、USAのただひとりの富豪のために多
様な国家を商品と変換したシステム設定であった。まさに国民国家とは商品としての資本
主義原理であり、これが現代の資本論なのであろう。敗戦後、日本はUSA主導によりサ
ンフランシスコ条約からIMF=ガットシステムに組み込まれてきた。日本は商品となっ
たのである。

 商品の価格を高くするために、国内の革命勢力と成田空港に反対する土地を強制収容で
取り上げられた農民の運動を、膨大な国家機密予算をつかい壊滅してきたのである。すべ
ては国家という商品創造のためであったが、いまや成田空港は国際空港としてもアジア国
際競争力から脱落しようとしている。空港という商品でさえも、世界市場から価格比較さ
れ、成田空港や関西空港はかれらが第一価値観とする市場主義によって敗北した。九〇年、
ブッシュ政権から突きつけられた日本の貿易黒字を解消するための構造障壁交渉、そこで
国内需要として六〇〇兆円の公共事業のUSAへの約束。九十年代はまさに海・なぎさを
破壊し、山林道路建設という、全国いたるところで大規模工事が勃発した。

 しかし、九十年代の官僚はそれが実は商品創造であることを忘れていた。世界市場から
切り離され国内で自己完結できる商品などもはや存在しない。われわれ市民とはすでに世
界市場によって規定されている。国内旅行より近くの海外旅行の方が安ければ、海外を選
択するだろう。これが世界市場である。ゆえに九十年代の大規模公共事業は廃墟となるの
である。砂漠に残ったのは天文学的な赤字国債借金地獄である。

 バブルの戦犯である宮沢大蔵卿が九十年代にやったことは印刷機経済である。九十年代
とは、まさに借金による国家バブル商品だったのである。あれほど公共事業をてがけたゼ
ネコン(大手建設会社)が大量の不良債権をかかえ、倒産寸前にあるのは不思議である。
実はかれらは本業ではなくマネーゲームで失敗したのだ。かれらがもうけた富はすべてU
SAのプレイヤーに収奪されてしまったのである。六〇〇兆円の公共事業をUSAが日本
に約束させた九〇年とは、すでにUSAのプレイヤーたちは日本公共事業システム、暗闇
市場といわれていたゼネコン、暗闇システムといわれていた建設省など、データー化され
全面的に分析されていたのである。なぜか?。それらは世界金融市場にとって商品だった
からである。商品とは裸体にされ明るい間昼間のテーブルにあげられる。秘密は女性性器
たる「おまんこ」をペンライトで、真剣に擬視するストリップのすけべな観客のごとく、
商品とはさらされる運命にある。

 商品とはまさにストリップ劇場におけるセックス交換である。その交換もまた商品とし
て観客を楽しませ興奮させる。ストリップ嬢が「つぎはだれ?」とひさし指でウエルカム
をするとき、プレイヤーはまっさきに手をあげるのだ。九十年代の日本とは世界金融市場
USAのプレイヤーにとってストリップ嬢の、おまんこであった。

 指名されたあなたは競争に打ち勝った幸福にあり、服をぬぐ。やがて裸体のあなたはス
トリップ嬢の指示により、男根を天に向けて寝る。やがてストリップ嬢はおしりをそこに
移動させ、みごとあなたの「きんたま」をおのれのぬれた入り口にさそう。ぐっと、あな
たのきんたまは吸引されていくのだ。ストリップ嬢のしろいおしりの上下運動がはじまる。
観客は「きんたま」と「おまんこ」の結合に集中する。「おまんこ」の肉ヒダが「きんた
ま」吸い付いている、はなさないと。「おまんこ」は「きんたま」の根元まで降下すると、
またうえにあがる、でも「きんたま」ははずれることはない。この商品としてのセックス
上下運動こそ株式市場である。何億人もの視線がそのプレイヤーたちセックスに集中して
いるのだ。商品とは交換という上下運動の熱のまさつでありヒダラである。銀行で為替相
場を仕事でやっている女性から、ある飲み屋で聞いた話だが瞬時の判断が左右する仕事に
没入しているとき、あすこが濡れてしまうそうである。あれは、どんなセックスよりも興
奮するの、と。そして幻滅がやってくるの、と。

 マルクス以後の資本論とは商品分析の基礎となり、実証主義の基礎となった。マルクス
はギリシア哲学を再発見したルネサンス以降の近代哲学を総括し、その内部とは神学と市
民社会の私的所有としてのアトミズムによる世界の解釈にすぎないことを発見した。精神
の運動・闘争としてある私的所有としての内部をもつ閉じられた円環の哲学を、実践の空
間としての存在へ、人間関係が裸体としてむきだす表層へと転倒したのである。

 近代的工場制度でのシステム化された戦略的部品としての労働。機械を操作格闘し、お
のれ自身の肉体的知覚を機械と同期させる武装せる労働。これら内部をもたぬ労働者の工
場制度は軍隊と同様だ。その労働は常に危険であり、かれの肉体的知覚と筋肉は緊張して
いる。その反復作業は軍隊の基礎である行進に相当する。また機械の操作と格闘は軍人に
とっての武器使用である。野外で仕事をする土木・建築でも近代的工場制度は貫徹されて
いる。

 第二次世界大戦においてアングロサクソンの軍隊が、ヨーロッパ戦線と太平洋戦線にお
いて、ファシストの軍隊をひとつひとつ徹底的に撃滅し、勝利していったのは、イギリス
産業革命以来の近代的工場制度における労働者の組織された工場訓練であった。USAに
おけるフォード型大量生産の巨大化した工場制度こそが、USA労働者を日常として訓練
しガムをかみながらであっても、日本帝国の海軍・陸軍を徹底的に殲滅した。重要なのは
人の要素なのである。

 これに対し日本とドイツの軍隊は、「土と血」といった精神の国家神学によって形成さ
れていた。日本であれば神としての天皇であり、ドイツであればヒットラ-「わが闘争」
におけるローマ帝国を北方ゲルマン民族が再興するという第三帝国民族神学だった。内部
と深層によって骨格付けられた軍隊は、最初、世界をだまくらかす電撃作戦として、勢い
はあるが、元来その思想と価値が強力な内部である超越的神学による閉じられた円環であ
るため、実践的な戦場である戦線の現場分析を誤り、戦略的敗北をまぬがれない。神学の
主体は外部としての、むきだしの表層を排除してしまう。神学は永遠の自己解釈であるか
らおのれの都合が悪い論理は排除するのである。神がかり的超越的な力が存在すると思い
こむ担い手は、世界市場のまえに敗退する。

 ドイツも日本も近代的工場制度は形成されていた。そしてドイツの産業革命における発
明と合理的な金属機械類の体系は強力。またドイツ医学と化学は世界の先頭を走っていた。
しかしながらドイツ・日本の資本主義はアングロサクソン型の自由発生型資本主義という
市場の見えざる神の手にまかす自由性はなく、国家計画デザインの下に成長した資本主義
だったのである。



【第1回日本経済新聞小説大賞(2006年度)第1次予選落選】

------------------------------------------------

片倉 もとこ
イスラームの日常世界
歴史の謎を探る会
常識として知っておきたい世界の三大宗教──歴史、神、教義……その違いが手にとるようにわかる本
久保 有政
創造論(クリエーション・サイエンス)の世界―聖書から生まれた先端科学
大川 玲子
聖典「クルアーン」の思想――イスラームの世界観 現代新書
岡田 明子, 小林 登志子, 三笠宮 崇仁
古代メソポタミアの神々―世界最古の「王と神の饗宴」
高馬 三良
山海経―中国古代の神話世界
山本 ひろ子
異神〈下〉中世日本の秘教的世界
江波戸 昭
一気にわかる民族と紛争―世界を読み解くキーワード
西川 照子
梅原猛の世界―神と仏のものがたり
上村 勝彦
バガヴァッド・ギーターの世界―ヒンドゥー教の救済
大林 太良, 吉田 敦彦, 伊藤 清司, 松村 一男
世界神話事典
ホセ カサノヴァ, Jos´e Casanova, 津城 寛文
近代世界の公共宗教
立山 良司
宗教世界地図 最新版
スティーヴン・F. ブラウン, Stephen F. Brown, 五郎丸 仁美
プロテスタント
阪本 俊生
プライバシーのドラマトゥルギー―フィクション・秘密・個人の神話
世界宗教大事典
須藤 隆仙
世界宗教用語大事典
ジャクリーヌ ヴァロン, 田辺 希久子, 荒木 美智雄
世界の宗教ものがたり
司馬 遷, 野口 定男
史記 上 (1)
武田 泰淳
司馬遷―史記の世界
水沢 利忠
史記 (1)
渡辺 精一
ビジュアル 史記物語
水沢 利忠, 佐川 繭子
史記“列伝”
宮田 雅之
宮田雅之の切り絵―史記・水滸伝・唐代伝奇・三国志
椎名林檎・勝訴ストリップ―フォト&スコア
ストリップ史研究会, 石橋 ワタル
ストリップ芸大全
森 栄二
マイクロウェーブ技術入門講座 基礎編―マイクロストリップ・ラインの基礎からミキサ設計まで
谷口 雅彦
裸女の秘技絢爛絵巻―ストリップはいま…
荒俣 宏
万博とストリップ―知られざる二十世紀文化史
藤野 羽衣子
ストリップ万歳
広岡 敬一
性風俗写真館〈2〉赤線・ストリップ時代編
日本鉄鋼協会
わが国における最近のコールドストリップ設備および製造技術の進歩 (1977年)

« 小説  新昆類  (24-1) 【第1回日経小説大賞第1次予選落選】 | トップページ | 小説  新昆類  (22) 【第1回日経小説大賞第1次予選落選】 »

小説 新昆類」カテゴリの記事