2016年9月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

2006年9月 9日 (土)

小はん殺し結城純一郎の演説  (1)【第38回(2006年度)新潮新人賞小説部門応募投稿 第1次予選落選】

【第38回(2006年度)新潮新人賞小説部門応募投稿 第1次予選落選】

 
第1次予選落選となりましたので、ブログに公開させていただきます。
題名を「結城純一郎の演説」から「小はん殺し結城純一郎の演説」に改名いたしました。

234枚の長編を29回にわけてアップロードさせていただきました。



     プロローグ

 結城純一郎は漆黒の闇に溶けて眠っている。変更線の午前三時。朝はまだ来ない。首相
公邸の寝室。彼は悪夢のなかでうなされていた。性交をしながら首を絞めて殺した新橋芸
者小はんが暗黒に踊っている。結城純一郎は悪夢から脱出するために叫び声をあげた。

続きを読む "小はん殺し結城純一郎の演説  (1)【第38回(2006年度)新潮新人賞小説部門応募投稿 第1次予選落選】" »

小説 小はん殺し結城純一郎の演説 (2)

 【満腔一年国家生活党運動方針の基調】

              【わが政権党の責務】

 満腔一年、そして二十一世紀、2015年体制への出発に向かって、われわれは、今、
大きな歴史の転換点に立つ、新しいシステム改革を迎えた。

続きを読む "小説 小はん殺し結城純一郎の演説 (2)" »

小説 小はん殺し結城純一郎の演説 (3)

   【たくましい文化国家の建設】

 責任政党たるわが党に課せられた今後の重大な使命と責務は、不断の反省を重ねながら
厳しい政治倫理を実践し、この輝かしい尊皇攘夷の政治体制をたくましく守り育て、永い
民族の繁栄を築く土台を固め、そして誇りをもってこれを子孫に引き継いでいくことであ
る。

続きを読む "小説 小はん殺し結城純一郎の演説 (3) " »

小説 小はん殺し結城純一郎の演説 (4)

 会場は騒然となった。自民党が送り込んだテロリストだ! 誰かが怒鳴った。静かにし
ろ! 防衛隊の隊長が両手を広げ制動する。会場の外と中はわれわれ大会防衛隊がしっか
りと防備している、安心して大会を続行していただきたい! 隊長は演壇のマイクを握り、
代議員たちに訴えた。やがて舞台袖から再度、結城総裁が登場した。彼は代議員に手をふ
っている。会場からうなる拍手。舞台中央の演壇、隊長は結城総裁と大会代議員たちに礼
をし、舞台袖へと去っていった。隊長、演壇を舞台奥のほうに設定していてよかったです
ね、と防衛隊員が袖でいった。隊長がうなずいた。自民党と警視庁はまだつながっている
からな、機動隊が会場に押し寄せ、大会ができなくなるようにするのが敵の狙い、最後ま
で防備戦争の貫徹だ! 隊長が防衛隊に喝を入れた。隊長は戦争の基本は防備だとあらた
めて思った。

続きを読む "小説 小はん殺し結城純一郎の演説 (4)" »

小説 小はん殺し結城純一郎の演説 (5)

    2

 飯田勲首相秘書官のオフイスはもちろん首相官邸にあった。あらゆる国会議員の情報は
内閣情報調査室と東京地検、警視庁公安部から飯田勲のデスクに上がってくるシステムは
確立されていた。飯田勲は警視庁公安部を自民党議員の動向調査に差し向けていた。自民
党議員の弱みや恥ずかしい情報を握り、それで自民党議員が首相官邸の奴隷になるべく恫
喝をするためである。

続きを読む "小説 小はん殺し結城純一郎の演説 (5)" »

小説 小はん殺し結城純一郎の演説 (6)

飯田勲隊長は舞台袖から再開された結城純一郎総裁の演説をしばらくながめていた。防
衛隊員にあとをたのむと任せ、袖から楽屋口へ歩いていった。防衛隊の控え室には、政治
少年山口音矢が椅子に縛られていた。

続きを読む "小説 小はん殺し結城純一郎の演説 (6)" »

小説 小はん殺し結城純一郎の演説 (7)

将軍である飯田勲隊長はさらに防衛軍事方針を伝えた。

続きを読む "小説 小はん殺し結城純一郎の演説 (7)" »

小説 小はん殺し結城純一郎の演説 (8)

フジテレビ報道クルーキャプテンの中村は、警視庁機動隊から次の展開の情報を仕込み、
伊藤ゆかりとカメラマン小泉たちスタッフが陣取るクルー場所へ戻ってきた。

「どうだったぞな、もし」

 カメラマン小泉が中村に聞いた。

続きを読む "小説 小はん殺し結城純一郎の演説 (8)" »

小説 小はん殺し結城純一郎の演説 (9)

九段会館ホールでは一千名の代議員が客席に座り、満腔一年国家生活党大会が続行され
ていた。会場の外と中は黒い衣装の防衛隊が緊張した身体で働いていたが、舞台裏方の仕
事は代議員にとって不可視の領域であった。代議員の仕事は結城純一郎総裁による運動方
針を、最後に党員章たる登録カードを手に持ち天に向かって大きく片手を上げ満場一致で
採択することだった。

続きを読む "小説 小はん殺し結城純一郎の演説 (9)" »

小説 小はん殺し結城純一郎の演説 (10)

 【ヒューマノイド通信システムの高度化】

 通信システムは、高齢全体社会のインフラストラクチャーとしてきわめて大きな役割を
果たすものであり、ヒューマノイド研究の成果と通信システムの統合は重要である。家庭
に普及させるヒューマノイドロボットがインターネットにも接続しているということは、
携帯電話で遠距離であってもロボットと対話が可能になる。家庭におけるロボットの仕事
を臣民は職場から携帯電話テレビで見られ、ロボットに次の仕事を指示することができる。
そのデジタル統合化、ヒューマノイド大容量通信処理機能、ヒューマノイド大容量データ
処理機能の高速化、端末のインテリジュント化等を積極的に推進していく必要がある。

続きを読む "小説 小はん殺し結城純一郎の演説 (10) " »